商談データの管理はSFAシステムの基本機能かつメインの機能です。今回はOpenCRMの商談管理機能についてご説明していきたいと思います。
商談管理の基本機能
①商談に関する基本情報を管理(商談の内容、ステータス(進捗状況)、金額、受注予定日など)
②関連するアクション(予定、タスク)の管理
③関連情報(見積、受注、請求、プロジェクト、製品、ドキュメントなど)の管理
営業活動を通じて①から③の情報を登録しメンテナンスすることで商談の進捗状況が把握できるようになります。更に商談に関する様々な情報が集約され共有されることで組織営業が可能となり受注確度を高めることができます。
商談情報を管理すると日々の進捗管理や営業活動を促進するための情報共有以外にも非常に良い効果があります。
一つは失注案件情報の活用です。例えば、買い替えなどタイミングの問題で失注した場合、次回のタイミングが2年先でも3年先でも商談情報が記録されていれば、数年後は新規案件として復活させることができます。失注情報として[次回購入時期]という形でおおよその日付を設定しておけば、時期がきたタイミングで復活案件のレポートを自動作成したり、担当者にアラートを上げるようなことが可能です。
もう一つは商談情報に登録されたアクション(予定、タスク)情報が営業担当の能力強化や新人育成に役立つからです。[出来る]営業担当は[流儀]を持っています。どのタイミングで決裁権者と合っているのか、どんな流れで提案アプローチを行っているのか、クロージングでは何を準備しているかなど、その[流儀]が日々の営業活動として商談情報に記録されていれば、参考にしたい営業担当の商談情報を確認すればその[出来る]プロセスを勉強できるようになるわけです。
商談情報を管理し活用することで、営業担当の強化、育成を行うことができ、より強力な営業組織にすることが可能になります。
商談管理の機能を拡張する
OpenCRMでは設定機能とエクステンションを使って機能拡張を行っています。
カンバン表示
商談情報を進捗ステータス別でタイル表示する機能になります。商談の進捗をビジュアル化させることができます。営業の進捗会議などで非常に役立つ機能です。会議を行いながら必要に応じてドラッグ&ドロップでステータス情報を変更できます。
営業プロセス管理
商談の進捗を[営業ステージ]で管理し、営業担当が各ステージで実施すべきアクションを[プロセス]で管理できるようにしています。[営業ステージ]と[プロセス]の項目に関しては各々の営業組織で異なってきますが、OpenCRMは設定だけで簡単に自社向けにカスタマイズが可能になっています。参考までに[営業ステージ]と[プロセス]の登録サンプルは以下のようなイメージになります。
このように営業プロセスを商談情報として管理することでどのタイミングで何をやるべきかが明確化するので営業担当の営業力の底上げが可能となります。
なお、営業プロセスを見える化しマネジメントすることで営業組織を強化する方法に関しては株式会社フリクレアの山田先生が理論化・体系化されコンサルティングサービスとして提供されています。
商談見込管理
商談の金額情報を積み上げて設定した予算を元に毎月の消化状況をグラフ表示します。
商談金額の積み上げは[営業ステージ]の情報を使って集計しますが、設定を組み替えることができるので自社の商談見込管理にマッチした内容に変更が可能です。
今回のセルフカスタマイズに使用したOpenCRMの設定機能
機能名 | 処理概要 |
---|---|
レイアウトエディタ | 画面に項目を追加したり並べ替えを行います。今回は[プロセス]という定義リスト項目を追加しました。 |
関連定義リスト | 2つの選択式のフィールド(定義リスト)を関連させ入力を制御する機能です。今回は[営業ステージ]と[プロセス]の項目の関連付けを行いました。 |
カンバン表示 | エクステンション機能として追加しています。 |
商談見込管理 | エクステンション機能として追加しています。 |
プログレスバー | [営業ステージ]というステータスを管理する項目を詳細画面の上部にバー表示させています。 |
これらの機能にワークフロー機能を組み合わせることで商談管理業務の効率化を図ることができます。
一例です。営業のルールとして、商談金額が1000万円を超えた場合は部長承認が無いと案件化出来ないとします。この場合、商談金額が1000万円以上で登録されるとワークフローが動き、部長あてに承認依頼のメールを自動配信します。部長はメールを確認し本文の中にあるURLをクリックして該当の商談情報を確認し、問題無ければステータスを部長承認済みに変更します。再度ワークフローが動き担当者に部長承認済みのメールを配信します。
ルールに基づいて実行すべきタスクをワークフロー化することで業務の効率化が図れます。ワークフローについては別記事で詳細をご紹介させていただきます。
これらの設定はお客様の要望に基づいて初期導入時に弊社で設定させていただきます。また、通常の運用サポート中でリクエストいただければ随時設定させていただきます。当然、ご自分達でどんどん設定をおこなってください。その時も弊社でサポートさせていただきます。
以上、[[活用]商談データを管理する]の記事はいかがでしたでしょうか?少々長くなってしまい書ききれなかったポイントがありましたので次回も引き続き商談管理に関して書かせて頂く予定です。次回のタイトルは、[[活用]案件型営業、ルート型営業、同時に管理する]です。ご期待ください。