マーケティング業務のDX化

マーケティングの専門部隊を設置する企業は大企業等に限られ、多くの企業では営業担当が見込み客の集客、育成、営業活動までを行っているケースが多いかと思います。近年は、マーケティング活動の重要性が高まり専門部署の設置やマーケティング関連システムを導入しその効率化を図る企業も多くなりました。
ただ、どの部署が実行しようとどんなシステムを利用しようとマーケティングの業務は①集客②育成というプロセスは変わりません。マーケティング活動のDX化について、この二つのプロセスを中心に解説いたします。
集客活動フェーズ
見込み客情報が社内に散在
対策方法は?
Webからのお問合せ情報、メールからのお問合せ情報、展示会来場者情報など、集客活動を行えば行うほど社内には様々な見込み客データが発生します。それらの多くがEXCELやメール上に存在していて一元管理されていない場合、効率的、効果的なマーケティングアクション(見込み客育成活動)を行うことができません。
この課題を解決するためにはCRMシステム(顧客管理DB)が必要になります。
CRMシステム構築ポイント①
まず最初に過去の様々なリスト(EXCELや紙で保存)や営業担当のメール、手帳、名刺として存在している見込み客のデータを整理することです。古いものについては、異動や昇進などで情報が変わっていることもありますが、いったん、EXCELなどのソフトを使ってデータの集約を行います。
この時、キーとなる情報はメールアドレスになります。マーケティングフェーズの顧客へのアプローチの多くはメールを使って行います。したがって、メールアドレスをユニークキーにしてデータを整理します。
入力が終わったら今度は名寄せの作業を行います。例えば、株式会社アイプランナー、㈱アイプランナーのケースです。このままデータをインポートすると、二つの会社ができることになります。そこで名寄せを行います。
名寄せが終わった後は、CRMシステムにデータをインポートします。これですでに入手している既存の顧客データが整理されたことになります。
CRMシステム構築ポイント②
Webのお問合せフォームやメールのお問合せ情報を発生の都度、CRMシステムに入力するのは手間であり、作業漏れが発生する可能性もあります。そこで自動連係させる必要があります。

Webのお問合せページと連携
Webのお問合せページから入力されたデータを自動でCRMシステムに登録します。
登録時にはマーケティングチームに通知を送信することで対応漏れ、対応遅れが無くなります。
※OpenCRMの[Webフォーム]機能
メールによるお問合せを連携
メールによるお問合せからCRMシステムに自動登録します。
メールアドレスによって既に登録した顧客かどうかを判別し、存在しない場合は、顧客登録を行い、あわせてお問合せデータも作成します。同時にマーケティングチームに通知も送信します。
※OpenCRMの[メールスキャナー]機能

CRMシステム構築ポイント③

外部データの取り込み
展示会やセミナーなどのマーケティング活動を行うと新たな見込み客リストが都度発生します。
こういったリストデータを簡単かつ正確に取り込む必要があります。リストデータのインポート時には重複データをチェックすることでデータの整合性・正確性を確保することも重要です。
※OpenCRMの[データインポート]機能
マーケティング施策がやりっぱなし
対策方法は?
新規顧客開拓のために展示会、セミナー、Web広告、メールキャンペーンなど様々なマーケティング施策を実行します。その施策がどの程度のコストがかかり、そこからどのくらいの結果(受注等)に繋がったのかまでを正確に把握することは時間も手間もかかります。しかしマーケティング活動はやりっぱなしではなく結果分析を行うことでより効果的な施策を実行できるようになります。
対策としては、①一つ一つのマーケティング施策を情報管理すること②それぞれのマーケティング施策からどの程度の顧客、商談、受注が発生したのかを管理することが重要です。
この課題を解決するためには、顧客データを統合管理できるCRMシステムを使ってマーケティング情報も管理することです。
マーケティング情報の管理

マーケティングの施策情報を管理
施策のタイプ、時期、予算、コスト、目標、実績などの情報管理を行います。
ポイントは、顧客、商談、受注実績といった情報と連携できるようにすることです。連携していればマーケティング施策の管理業務の手間を大幅に減らすことができます。
※OpenCRMの[キャンペーン(マーケティング情報)]機能
キャンペーン機能で出来ること
マーケティング施策に紐づいた顧客、商談、受注情報を元に、案件数、受注数、受注金額、目標値との消化率などを自動更新します。
データを使った施策別や施策分類別の効果が把握できるようになります。
分析に結果に基づいてマーケティング施策を改善していきます。

見込み客育成フェーズ
見込み客のニーズが明確になっていたり、検討時期や予算なども判明している場合は、そのまま営業チームに有望顧客として情報連携します。その後は、営業担当が実際に商談を進めていくことなります。
この育成フェーズでは、ニーズが明確化していない又は導入時期が決まっていないなど案件化までに時間がかかる見込み客に対して、効率的にフォローを行い将来の顧客を育成することになります。
従来であれば、ファーストコンタクトの後、案件化の見込みのないユーザーはほったらしになることがありました。現在はシステムを活用することで、手間をかけずにフォローすることができるようになっています。
メールを使ったフォロー

メールでフォロー
育成段階の見込み客にはメールを使ってフォロー(育成)を行います。
自社の製品・サービスの有用性をアピールし、見込み客の購入意思を醸成したり、または、その反応から購入タイミングを推測するようなアプローチを行います。
見込み客を目的に沿った条件で抽出し、目的に合ったメールコンテンツを作成し、一括送信します。送信結果を分析し見込み客のデータをアップデートしていきます。
※OpenCRMの[メールキャンペーン]機能、[メールデザイナー]機能
フォローリストの作成とフォロー業務の効率化

フォロー対象のリスト作成
見込み客の属性情報(ランクやニーズなど)に基づいてリストを作成します。作成したリストをグループで共有しながらフォロー業務を行います。
マーケティングチームで作成したリストをインサイドセールスチームに連携することで、フォロー業務の効率化を図ります。
※OpenCRMの[フィルター(リスト化)]機能
マーケティングオートメーション(MA)の導入
見込み客の育成業務をさらに高度に行う場合は、MAツールが必要になります。
MAツールでは、メールの配信管理だけではなく、Webの閲覧履歴、Webコンテンツのダウンロード履歴などもトラッキングすることができます。
また、見込み客のフォロー業務をシナリオ化し、自動実行することで、マーケティング業務の省力化を図ることも可能です。
例えば、以下のようなシナリオをあらかじめ設定し、処理を自動化することができます。
- メルマガを配信する
- 本文中の特定のURLをクリックした見込み客には特定のメールを送信する
- 1週間経過しても開封しないユーザーには案内メールを送信する
- メール開封したユーザにはポイントを付与する
- ポイントが溜まるとその見込み客情報を営業に連携する(メール送信する・CRMシステムに自動登録する)
MAツールで出来ること
- 見込み客データ管理
- メール配信・トラッキング
- Web閲覧のトラッキング
- ダウンロードコンテンツの管理
- Webフォームとの連携
- スコアリング
- シナリオ化(アクションの自動化)
