IT企業で営業やプロマネをやっている方がどうしても避けられないのが「契約書」だと思います。
かつては私も新規顧客の案件を担当する際に多くの契約書締結を経験しました。
ところが、契約書の内容を理解できない、自社の利益のために交渉しなければならないことに関する知識が足りないという営業さん、プロマネさんが想像以上に多いです。
自分はそんなんわかってるさというあなたも実は民法、商法、著作権法、個人情報保護法など年々改正されていく関連法についていってないかもしれません。
もちろんお客さんの側もわかっていない人が多くいますが、法務部門がある会社さん相手だと法律論に発展して、契約書を結ぶに結べない、議論すると負けてしまうという事例を多く耳にしました。
もちろん自社に法務部門がある会社さんもあるでしょう。でも法務部門はITを知らない(少なくとも開発現場経験がない)方が多く、どうしても経営者目線でしか契約書草案を書いてくれません。
自社の法務部門に丸投げすると、現場からするとちゃんちゃらおかしい内容ででてきたりしますが、営業やプロマネが契約書を読めないとあとあと血を見ることだって起こりうるわけです。
さらにいうと独立しようなんて考えると法律を知らなすぎる人は平気で法令違反なビジネスを立ち上げようとするような人だっているわけです(実際に私の回りでのも何人もいました)
自分が今どんな仕事をしていて、関連する法律が何で、それに準拠した案件なのか、間違いのない契約書の内容になっているのかというのは本当に重要です。そうしないと訴訟になったとき不必要な負けをくらったりもします。
いや法律を勉強しろと言ってもすべての条文を隅から隅まで覚えろとかそういうことではなくて、法律の思想や概要(主な論点)をわかっているだけでもいいんです。
ただ会社勤めをしていても勉強する機会はなかなかありません。
私は上司や先輩から教えてもらうこともありませんでしたので、会社に隠れて大学の夜間講座に自費で通って勉強したりもしました。当時は興味半分でしたが、そのことはあとあと自分のために大いに役立つことになりました(単なる結果論でしかありません笑)
仕事をもらう側であっても、また仕事を出す側であっても、守るべき権利や契約相手ににわからせることが必要なことも多くあるのだということをわかってほしいですし、仕事をもらう側は主張しないと基本的にお金を出す側が正義となってしまって必要以上の労力やコストを負担して、会社の利益に反することが起こってしまうのだということをわかってほしいと思います。
現場を知らない弁護士に現場のための契約書を書いてくれと言ってもなかなか思うようにはなりません。
法律や契約書は自分を守るために存在するのだくらいに考えて、本来の業務と同じように向き合ってほしいと思います。