twitterでこんなツイートを見かけました。
「広告代理店でマーケターとしてのキャリアをスタートしました!」ってちょっと待って!広告代理店の仕事はマーケティングに関わるけど、(狭義の)マーケターな仕事はマジでないよ!自分で云うのもなんだけと!

いつの時代も名乗ったもん勝ちというところはありますが、実は約30年前別の呼称がはやっていたように思います。そう「コンサルタント」呼称です。

私が新卒で入社した会社は大手会計事務所の傘下にある「開発部門を持つ」自称コンサルティング会社でした笑

売上の大半がSI事業・パッケージ販売事業であったにも関わらず、です。

そのため新卒募集でも堂々とコンサルティング会社として募集をかけていました。
それで、入社してくる人も入社初日からコンサルタントになれるという妄想を胸にした人ばっかりだったわけです。
ところが、入社してもらった名刺にはコンサルタントと書いてない、その上配属先ではプログラミングや議事録書きばっかりで、一定数のバカが「こんなことをやるために入社したんじゃない!!」と言って、1年目に早々に見切りをつけて辞めていくわけです。

いやいや、自分のおじいちゃんくらいの年齢の経営者に、自分のお父さんくらいの管理職にナニ提案できるわけ?と思いながら辞めていく姿を見送っていたわけです。

自分の身分をわきまえて修行しようと思った人か、いい上司に恵まれた運のいい人だけがそのまま残り黙って与えられた仕事にがんばってほんとうの意味でのコンサルタンを目指していくわけです。

ところが、会社としてはせっかくコストをかけて募集した新卒にそんな簡単に辞められるのは避けたい、と上層部は考えていました。

私のいた会社では課長職以上の昇級には、論文と面接の試験があったのですが、ある年に「これ以上新人が流失しないための施策を提案しろ」というお題で論文と面接があったんですが、ある方が会社にこんな提案をしました。
「新卒の名刺にコンサルタントという肩書きをつければよい」という内容で、その方は見事課長に昇進することができました。そして、翌年度から新卒にも一律「コンサルタント」という肩書の入った名刺を配布しました。

コンサルという仕事がなんなのかわからず妄想だけして入社した新卒社員は大喜びしまして、それ以降新卒1年目の流出を大幅に減らすことに成功しました。

社内では紙一枚(名刺)で気分良く仕事ができるなんておめでたい奴らだと笑われていたのはいうまでもありません。

本当はコンサルの名刺をもらっているのにこの仕事(与えられている仕事)はなんだ!と決起する連中がいてもおかしくなかったのですが本当に信じられないほどにプログラミングだろうと議事録書きだろうと文句の一つも言わずに黙ってやるようになったのです。

当時を思い返すと連中はきっと合コンで名刺を配って自慢したかっただけなのかもしれないなと(苦笑)。

時代は流れ、コンサルタントという職業がどのようなものであるかが社会に浸透した今このような世間知らずがまだいるのかはわかりません。

しかし、最近は同じことがマーケターという呼称をめぐって起きているんだろうなぁと最初に書いたツイートを見たときに思いました。

名乗るのは簡単ですが、その内容を本当に理解してから自分がそれにふさわしいという仕事ができているのかを自分に問うてほしいなと今日このごろです。