弊社の経験豊富なコンサルタント陣の一人、S。
彼は、兎に角、辛口なんです。但し、それもお客様の事を一番に考えた上での発言なので本当に何かに困ってご相談をいただいたお客様には絶大なる信頼を勝ち得ています。
少々耳が痛い話もありますがそれゆえに何かの気付きにもなる[辛口コンサルタントS]の記事を定期的に発信させていただきます。
第一弾は、お客様と営業、双方の経験があるSならではの記事となっています。
提案する力と購入する力
長くシステム開発やコンサルティングのビジネスをやっているといつも思うことがあります。
売り手側の提案する力と買い手側の購入する力の双方に問題があるのではないか、ということです。
以前部下の付き添いで新規提案先に赴いたときのこと。
その部下に提案の全てをやらせたのですが、とにかく
「難しいことを難しく説明する」
「ITの世界の人間しかわからない言葉(いやもはや言語といっていいかも)…でしか話をしない」
ということでした。
いや、信頼関係があって提案相手のリテラシーがわかっていればそれも成立すると思うんです。しかしながら、新規の提案先で名刺交換後すぐにやらかしたもんだから、私としては「あちゃ~」という感じでした。
「???」という吹き出しが見えてしまうようなリアクションにはさすがに気づこうよ…。
高度な専門知識を身につけた人が、高度なことを難しく語るのが、優秀なコンサルと思っているようなんだよなぁ。いかに難しい内容を聞き手にわかってもらって納得してもらえるか、が営業やコンサルタントの腕だと思うのは私だけだろうか、と思ってしまいます。
提案は相手ありきなんだからさ…。
帰社後本人に言っても問題点がどうやらわからないようで、しばらくは新規提案部隊から離れてもらって、同僚社員を目の前にしたプレゼンのトレーニングをさせるはめになりました。
一方で、提案を受ける側にも提案を受ける力というのが必要であると思います。
基本的に知りもしない商品やサービスの説明とか提案を受けるんだから、わかりもしないのにわかったふりをすると、本当に必要なもの自社にフィットするものを見逃す可能性が高まります。
もちろん、買う側はわからない説明であれば、単に断ればいいだけですよ。あるいは上司がすでに裏で合意していて提案そのものが導入担当社員に対してのアリバイ作りの可能性もありますよね。昔事業会社でIT担当をしていたときは何度かこれをやられましたよ。
私個人としては、ITの言葉しか話せない営業は多すぎるくらいの印象なので、IT業界経験者をたとえ外部の人間でも交渉窓口というか通訳につけるくらいやったほうが、商品やサービスの要否やその会社へのフィット感などすぐにわかることがあると思うんですよ。
売り手側の「どうせわかんねぇだろ」的ななめた態度、足元を見られた態度(そういう営業さんに限って満面の笑みでバカ丁寧な言葉遣いなので客側はころっと騙されますが)は買い手側には不幸をカネで買うみたいなバカげた未来が待っていると思います。
客側も売り手側の不誠実で騙す気満々の悪徳営業から自社を守るために多少のお金を出しても対抗策をとって望むべきなんですよ。
※この話は自分で過去経験した話が中心ですので、「そういう人もいる」くらいに解釈していただければと思います。世の中いい人・誠実な人も多くいますので…。
<了>