システム開発、システム導入の現場で少なからず起こる不幸なこと。それはお金や人といったリソースをたくさん投じてせっかく導入したシステムがそれほど使われないことがあるということです。

いや、日経コンピュータで連載されている動かないコンピュータみたいな巨大なシステムだけでなく、中小規模の会社でも少なからず起きている気がします。

大手さんは要件やリスクを読み損なったり、いたずらに最新技術を追いすぎた結果として起こることもあるのでしょうが、中小企業の場合は少し違う気がします。

(以下は私個人の経験で、多くの案件では起こらないと思いますのであらかじめお断りしておきます)

自分の経験に限って言えば、ですが、もし導入したシステムがそれほどの稼働、それほどの効果を生まないとするならそれは

・開発のリーダーやメンバーは導入後「使わない層(管理者層)」であり、実際に使う現場層のことを考えちゃいない
・管理者層は、この仕組み・このシステムを使えば「自分ならできるけど現場スタッフが使えるかのことは知ったことじゃない」論が根強くあり、またそういう会社ほど上下・部門間の風通しが悪すぎる・信頼関係がなさすぎる組織で多く起こるのかなと思います。

そして、現場を見ない・考えない・コミュニケーションがないマネージャーさんや経営者さんから出てきた実態を無視した理想のシステム構想の稼働責任が開発会社にそのまま来てしまい、完成後最悪は検収を出す出さない、カネを払う払わない話に発展してしまいます。

私は若い頃こそ、お客様に仕様をFIXしたのはそっちじゃないか!と声高に主張していましたが、最近はおっさんになり、それではいけないとやり方を変えました。

それはお客様から別に言われてもいないのに、必要以上に現場の人に話に行くようにしたということです。

特にこの令和の時代ならではの方法として「喫煙所外交」を積極的にやってます。
だってコロナ全盛の今は昔みたいに飲みに行ったりできませんもん。
最後に残された現場との交流の場は喫煙所をおいて他にありませんよ。

喫煙所に行ってはコソコソヒソヒソやってます笑。

そうすると意外と情報は集まるのでそれを提案内容に加えるのですが、逆に「現場の代表」みたいに見えるのかやりすぎると煙たがられますけどね。あとお客様の中に嫌煙の方がおられると喫煙所外交の成果を頑なに認められないという経験も過去にはちらほら…苦笑。

導入後の稼働責任を持たされるのはこっちなんだ、手段なんか選んでられるか!とは口が裂けても言えません。言えませんが、中小の会社さんが相手であっても気をつけないと…。