知人の会社に医療系のお客様からSESでの開発要員派遣のオファーがあったそうです。
最初その話を聞いたときには「???」というのが正直でした。
SESって本来は
①機密保持のため自社内で作業をしてもらう
②作業時間精算としてでも自社内の管理者によるコントロールをしたい
③複数人の要員で分担して行う必要があり密にコミュニケーションを取りたい
④SEを囲い込みたい(長期に渡り委託してノウハウを蓄積して生産性を上げてもらいたい)
⑤これまで常駐してもらっていたがコロナ禍でそうはいかなくなった
⑥すでにSESの体制があるが欠員が生じてしまって、しかしながら見つからない
などなどの背景があり(もちろんそうでない場合もあろうかと思いますが)、自社内に机と開発環境を用意して社内でだけ作業をさせたいというお客様側の意向でそういう契約を結びます。代表的な委託者は金融系や研究施設(ラボラトリ系)があります。
いくらコロナ禍とはいえ、①③は達成できないし、②も管理者の必要以上の業務負荷を伴います。
教育やヘルプデスク的なフルリモートワークが可能な作業もありますが、今回は開発それも新規で1名だけということですのでまったくもって理解できない種類のオファーだと感じています。
私の知人は受託側ですので発注側の意向や背景はわかるべくもありませんが、コロナ禍というのはこれまで考えられなかったビジネスが出てくるのかもしれませんし、それだけSEが見つかりにくい状況になっているともいえるのかもしれません。
それにしてもフルリモートだからってSESを受けたがるのは大手SI(それも実際には社員ではなく下請けを派遣)だけだと思うのですが、やりたがる人は少ないだろうなぁ。
この件は後日通常のSESと比べてどうなのかを本人に聞いてまたコラムを書こうと思います。